(これは古い日記です)

さて、書くネタもないので、本のレビューでもしてみる。
クラック関連の本が数冊あるのでそれについて。

Hacking:美しき策謀―脆弱性攻撃の理論と実際
バッファオーバーフロー脆弱性攻撃等について、具体的な方法が書いてある。セキュリティやるからには、攻撃方法を知らないと話にならないと思う。まだはじめの方しか読んでいないが、setuidされてるroot権限のプログラムにバッファオーバーフロー脆弱性があった場合、そのバッファに/bin/shを起動する数十バイトのshellcodeと呼ばれる実行可能プログラムを流し込み、スタックに積まれた関数からの戻りアドレスをshellcodeの頭辺りのアドレスで上書きすると、shellcodeが実行され、root権限でshが起動でき、後は好きなことができます、といった感じのことが書いてある。shellcodeはアセンブリ言語で書くのだが、この本ではLinuxで書かれており、FreeBSDシステムコールの呼び出し形式が違ったので、それを調べるのにちょっと苦労したが、まあ俺でもそれっぽいことはできた。ちなみに生協に平積みされてる。

解析魔法少女美咲ちゃん マジカル・オープン!
まあタイトルも表紙もアレだが、内容はまともである。ソフトウェアクラックの方法について書かれている。もの凄く簡単に言ってしまえば、デバッガでソフトを逆アセンブルし、je等の分岐命令で、常に実行させたいコードはnopで上書きして潰し、実行させたくないコードは無条件ジャンプjmpで上書きして潰すと、なんかいろいろとチェックを飛ばしたりできますよ、といった内容。ちなみにこれも生協に置いてあった。

類書として、
クラッカー・プログラム大全
がある。内容は似てるが、VBとかDelphiのソフトのクラックについても書かれてたりする。この本については、同じ著者の人たちが書いた新しい本として
クラッキングバイブル
があるので、今買うならこちらの方がいいかもしれない。暇がないので全く読んでいないのだが。

ハッカーの教科書 完全版
上のクラッキングバイブルと同じ出版社の、同じように厚くて無駄に装丁が豪華な本。これはネットワークに侵入するとかの意味の方のクラックについて書かれている。
この本については、ネット上で不思議と否定的な意見を見ていないのだが、個人的な感想としては、スクリプトキディ養成本か?と思った。具体的な技術と言うよりは、やたらたくさんのツールの使用法を説明している。一応技術的なことも書いてあるのだが、かなりプログラムとかネットワークとかの初心者を対象にしているようで(OSI7層の説明とかTCP/IPの基本とか)、なんというか、まあ正直レベルが低すぎるように思えた。B1の頃の俺が読んだら喜んだかもしれないが。まあ、事典的な用途には使えるかもしれないとは思う。

おまけに、正しい意味とされている方のハッカー関係で。
ハッカーのたのしみ―本物のプログラマはいかにして問題を解くか
これは、正直タイトルから内容が全く想像できないと思うのだが、ビット演算とかの低レベルな操作を用いて、いかに効率的に計算を行うか、みたいなことを延々と書いてある。32ビットの整数で1が立っているビットの数を数えるには、32回回転シフトさせて、それぞれの場合の値を全て合計し、最後に符号を反転させる、とか。1のビットが32回全ての位置で加算されるため、1のビット1つあたり-1になるので、それを反転させると確かに1つあたり1になる。
まだはじめの数ページしか読んでいないが、俺の頭ではついていけない。コンパイラとかOSを書く人とか、回路技術者とか、そういう人向けの本だと思う。